日本のデジタル格差:レガシーシステム脱却の壁と2026年のリスク

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Tokyo Techies Marketing Team
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要点

  • 2018年、日本政府は「古いITシステムを使い続けると、2025年から毎年最大12兆円の損失が生じる」と警告しました。その年はすでに過ぎました。損失は現実のものとなっています。
  • 日本のITシステムの約60%は、導入から20年以上が経過しています。1980年代に作られたものも残っています。
  • 日本企業の約77%が「デジタル化に取り組んでいる」と答えています。しかし、実際に成果を出せているのは3社に1社だけです。
  • 古いシステムはITコストの最大80%を占め、新しいツールやセキュリティへの投資がほぼできない状態です。
  • 日本でインターネットに接続されたデバイスは、13秒に1回、悪意のある攻撃を受けています。
  • 今動き出した企業は差をつけています。待ち続けている企業は、毎月じわじわと遅れをとっています。

日本が直面する意外なIT課題

日本は「正確さ」で知られる国です。新幹線は秒単位で運行され、工場は世界水準を誇り、電子産業は現代の生活を形づくってきました。

だからこそ、多くの人が驚きます。日本が先進国の中でも深刻なITの問題を静かに抱えていることを。

多くの企業が今も、維持費がかさみ、セキュリティ対策も難しく、現代のビジネスに必要なツールとも連携できない古いシステムに依存しています。

これは新しい指摘ではありません。専門家たちは長年、警鐘を鳴らし続けてきました。しかし2026年、警告はすでに現実となり、「先送りのコスト」は無視できない水準に達しています。

1. どれほど深刻な問題なのか

2018年、経済産業省(METI)は強い警告を発しました。「ITシステムを刷新しなければ、2025年から毎年最大12兆円(約800億米ドル)の損失が生じる」と。これが、いわゆる「2025年の崖」です。

その年はすでに過ぎました。一度に崩れ落ちるような事態にはなっていませんが、じわじわとダメージは着実に積み重なっています。

データが物語っています:

  • 日本のITシステムの 60%以上 が、導入から20年以上経過している(EU-Japan Centre for Industrial Cooperation)
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)で実質的な成果を上げた日本企業は 約30% のみ。米国・ドイツの80%と大きな差があります(IPA)

さらに注目すべきは、「DXに取り組んでいる」と答える企業が約77%に上る一方、実際に成果を出せているのは3社に1社だけという事実です。

2025年12月、Forrester Researchは次のように指摘しました。「問題は意識の低さではない。戦略と実行力の欠如だ」と。多くの企業が「業務のデジタル化」にとどまっており、仕事のやり方そのものを見直すところまで踏み込めていないのです。

2. レガシーシステムが企業にもたらすコスト

古いシステムを使い続けることは、単なる「メンテナンス費用の問題」ではありません。毎年少しずつ積み上がっていく、目に見えにくいコストが存在します。

ITコストが「維持」に消えていく

調査によると、古いシステムの維持・運用だけでITコストの 70〜80% が費やされることがあります。100円のIT予算のうち、80円が「既存システムを動かし続けること」に使われ、新しいことへの投資はほとんど残りません。

セキュリティ強化、クラウドツールの導入、AI機能、顧客向けの新機能。これらすべてが、残り少ない予算の中でやりくりしなければなりません。

多くのITチームが疲弊しているのは、努力が足りないからではありません。リソースのほぼすべてが「古いシステムを止めないこと」に向けられているからです。

静かに消えていく生産性

古いシステムは多くの摩擦を生み出します:

  • 動作が遅く、リモートからアクセスできないことが多い
  • 現代のシステムなら自動化できる作業を、手作業で行わなければならない
  • 別々のスプレッドシートを管理し、同じデータを何度も入力し直す

Stripeの調査では、レガシーシステムに関わる開発者は 週平均13.5時間 を、そのシステムが引き起こす問題の対処に費やしていることがわかっています。これは労働時間の約3分の1です。チーム全体で考えると、損失は膨大なものになります。しかもそれは、どのレポートにも明確には現れません。

増え続けるセキュリティリスク

13秒に1回、日本でインターネットに接続されたデバイスが悪意のある通信を受けています。 内閣サイバーセキュリティセンター顧問 飯田氏、CYDEF 2025

古いシステムは現代のセキュリティ基準を満たせません。多くはアップデートが終了したソフトウェアで動いており、適切なパッチを当てることもできません。攻撃者はその弱点を熟知しています。

2025年だけでも、深刻なインシデントが相次ぎました:

  • アサヒグループホールディングス がランサムウェア攻撃を受け、復旧に数ヶ月を要した
  • 日本航空 が2024年12月にサイバー攻撃を受け、数十便に遅延が生じた
  • 大手インターネットカフェチェーンで 729万件の会員情報 が流出した

いずれのケースでも、古いシステムが被害を必要以上に大きくしました。

3. なぜこの問題は長年続いているのか

リスクが明らかなのに、なぜ多くの企業が古いシステムを使い続けているのでしょうか。

正直に言えば、これは技術の問題というより、人と組織の問題です。

  • 「まだ動いている」 正常に動いているシステムを変えることは、不必要なリスクに感じられる
  • 「誰も詳細を把握していない」 数十年前に構築され、担当者はすでに退職。理解できないものを変えることは本当にリスクが高い
  • 「予算がない」 維持費に80%が消えると、変革に回せるお金はほとんど残らない
  • 「人材が足りない」 日本では2030年までに最大45万人のIT人材が不足すると言われている

これらは言い訳ではなく、実際の制約です。成果を出している企業は、これらを無視しているわけではありません。小さく始め、成果を積み重ねながら前進しています。

4. モダナイゼーション(システム刷新)とは、実際どういうものか

多くの企業は「システムを刷新する=すべてを一度に入れ替える」と思い込んでいます。しかし実際には、そうである必要はほとんどありません。

正しいアプローチはもっとシンプルです。最もネックになっている問題から手をつけ、しっかりと解決し、次のステップへ進む。具体的には次のようなことです:

  • 技術ではなく、課題から始める。 今、どこで最も時間やコストが失われているかを明確にする。その答えがすべての方向性を決めます。
  • データを解放する。 多くの日本企業では、重要な情報が古いシステムの中に閉じ込められています。データを現代的で使いやすい形式に移すことが、多くの場合、最初の大きな一歩になります。
  • セキュリティは早い段階で対処する。 システム刷新のタイミングは、脆弱性を修正する最良の機会です。後から追加するより、最初から組み込む方がずっと楽です。
  • 現状を数値で把握し、変化を測る。 今のプロセスにかかる時間やコストを把握しておくことで、改善の成果を明確に示すことができます。

目指すのは完璧なシステムではありません。チームが使いやすく、改善し続けられる「より良いシステム」です。

5. Tokyo Techiesが取り組んでいること

私たちは、日本と米国の企業で、今まさにこの岐路に立っている方々と一緒に仕事をしています。古いインフラがセキュリティリスクになっている企業、データが古いシステムに閉じ込められていてAIを活用できない企業、ITコストのほとんどが維持費に消えている企業など、様々です。

私たちのアプローチはお客様の問題を見つけ、しっかり解決し、そこから積み上げていく。
一度にすべてを変える必要はありません。まず「意味のあるところ」から始めることが大切です。

事例:ミートラック株式会社

ソフトバンクグループと日本通運グループの合弁会社であるミートラック株式会社は、スプレッドシート・紙の帳票・FAXで物流業務を運営していました。

私たちは5ヶ月で、配車担当者・ドライバー・経理・管理者が一つのプラットフォームで業務を管理できる輸送管理システム(TMS)を構築しました。手作業だったプロセスが、単一のデジタルシステムに置き換わり、現在は日本各地の物流企業に活用されています。

事例の詳細はこちら:tokyotechies.com/success-stories/meetruck

崖はすでに来ています。今大切なのは、次の一歩です。

「2025年の崖」は、一度に崩れ落ちるようなものではありませんでした。維持費の増大、古いツールによる生産性の低下、静かに高まるセキュリティリスク。これらが少しずつ積み重なってきたのです。

しかし、明るい面もあります。この問題は解決できます。日本全国の企業が、今まさに前進しています。一夜にしてすべてを変えるのではなく、明確な課題を選んで一つずつしっかり解決することで。

今動き出した企業は、10年後に大きく有利な立場に立っているはずです。

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